10月に開催された「都市との対話」展(神戸)で、井出と岩本が芹沢高志さんとのトークに参加させていただきましたが、偶然にも再び、今度は東京で同じようなタイトルのプロジェクトへ参加することになりました。
今回は、「都市への対話と関わり〜創造教育に向けて 」というテーマで行われる、トーキョーワンダーサイトのワークショップ。ロンドンで水上生活を営み、テムズ川に浮かぶアートスペースのプロジェクトを進めているクリス・ウェインライト氏らとともに、講師として参加します。
ワークショップには、日英の若手デザイナー、アーティスト、学生が参加。2007年11月18日(日)〜25日(日)にかけて、東京とロンドンの河川や運河のリサーチに基づき、都市の水辺環境をめぐるアートや空間のプロジェクトを提案します。大規模開発が中心となって行われている水辺に対して、アーティストや個人の感性がどのように都市と対話を持ち影響を与えることができるか、ということがテーマです。
クリスとの出会いは、昨年、門天で芹沢高志さんを交えて行ったトークイベント。これが縁になって、今年もふたたび一緒に仕事をすることになったのだが、この一年間行ってきたプロジェクトをお互い報告しあって感じるのは、昨年と同様に、クリスの仕事とBPAの活動とのシンクロニシティ。そしてまた、日英の両国が互いのモノサシになることで、都市の水辺が少しづつでも開放されつつある実感が得られるのが嬉しい。僕らがクリスの仕事に力づけられるように、クリスにとっても、東京都の運営するTWSでこうしたワークショップの機会が与えられることは、ロンドンへのポジティヴなフィードバックを戻す大きな力になるのではないか、といったことを感じています。
ワークショップの報告などが行われる公開プログラムは、下記の日程で開催予定。
「都市への対話と関わり〜創造教育に向けて
東京―ロンドン 文化交流プログラム Dialoge and commitment to the city-towards Creative Education」
http://www.tokyo-ws.org/aoyama/index.html
11月25日(日) 13:00-15:00(開場12:45)
チューター(講師)及び参加者によるワークショップの成果発表
15:30-17:00(開場15:15)
“創造教育に向けて”をテーマにしたシンポジウム
協力:
グレイター・ロンドン・オーソリティ (GLA)
ロンドン芸術大学
東京都 建設局(予定)、港湾局(予定)
チューター(講師):
クリス・ウェンライト(ロンドン芸術大学 キャンバーウェル、チェルシー、ウィンブルドンカレッジ学長)
アンヌ・リディアット(アーティスト)
ピート・ブルックス(ロンドン芸術大学 セントラル・セントマーチンズ・カレッジ オブ アート アンド デザイン パフォーマンスデザイン アンド プラクティス大学院 コースディレクター)
陣内秀信(法政大学教授)
ボートピープル・アソシエイション
今村有策(トーキョーワンダーサイト 館長、東京都参与)
家村佳代子(トーキョーワンダーサイト プログラム・ディレクター)
東京都現代美術館で7月28日から開催される、「磯辺行久 SUMMER HAPPENING」展内で、磯辺行久さん、北川フラムさんとの鼎談を行います。アーティストであり環境計画家でもある磯辺さん、越後妻有トリエンナーレなどを手がける美術展プロデューサー・北川さんとの鼎談ということで、環境や地域の文脈で様々な人々との関係から発生するアートワークやアクティビティがテーマになりそう。また、トークは、展覧会場内に設置された磯辺さん設計のエアドームで行われます。トーク環境のほうも非常に楽しみ。BPAからは、井出が参加予定。
以下、開催概要です。
鼎談 磯辺行久+北川フラム+BOAT PEOPLE Association
7月28日(土)14:00-
様々な人との協働の中で生まれる磯辺の活動。その可能性を、美術展プロデューサーの北川氏、都市の中の新しい水上経験をテーマに活動するBOAT PEOPLE Associationのメンバーが、作家と語り合います。
※展覧会場内のため、チケットが必要です。
直前のご案内で恐縮です。
来週、2月26日(月)の1900時から、大井競馬場前の運河に浮かべた「Floating Emergency Platform」(BPA所有の艀13号)の上で、美術家・西野達さんとのトークを行います。
ケルン在住の西野さんですが、2005年の横トリやメゾンエルメスなど、最近では国内での活動も盛ん。今年は、森美術館や広島市現代美術館での展覧会も予定している、気鋭の作家です。


西野達郎、"Engel"、2002、バーゼル

西野達さん(photo by 金山直子)
トーク会場となる「Floating Emergency Platform」は、実験的な災害支援システムとしてデザインされた船で、2月23日から3月2日まで、BPAメンバーが船内で水上生活中。
当日は、西野さんのこれまでのプロジェクトについて、写真などを見ながらたっぷりお話を聞いた後、BPAとのトークを予定しています。ちなみに、照明・映像・音響などの電力は、すべて船に搭載されたバイオディーゼルとソーラーパネルでまかないます。
トークは1900時からですが、「FEP」の雰囲気も味わっていただくため、1700時からオープンしてバータイムにします。時間に余裕のあるかたは、ぜひ早めにお越し下さい。
会場の雰囲気は、こんな感じです。


アクセスについては、(競馬ファン以外は)普段あまり足を運ばない大井競馬場という立地なので、果たしてどれくらいの人が来てくれるのか心配ではありますが、都心部からは予想以上に近いです。浜松町から東京モノレールに乗って二駅、しかも駅から徒歩1分。歩道橋を渡ったすぐ先の桟橋に、会場が係留されています。
船の乗船人数に限りがありますので、早めにbpapol@yahoo.co.jpまでご予約ください。
■BOAT TALK:西野達×BOAT PEOPLE Association
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日時:2007/02/26(月) 17:00〜22:00(トークは19:00から)
場所:東京モノレール大井競馬場駅前
アクセス :浜松町よりJR東京モノレールで9分 大井競馬場駅下車
品川方面に徒歩1分京浜運河に浮かぶバージ船内
参加料:500円 (1ドリンク付)
参加ご希望の方は、氏名、参加人数をご記入の上、bpapol@yahoo.co.jpまで。
当日飛び入りも可能ですが、人数制限をさせていただく場合もありますのでご了承ください。
Time Table
17:00〜 開場・カフェ time
19:00〜 西野達氏トーク
20:00〜 西野達×BOAT PEOPLE Associationセッション
21:00〜 バー Time
22:00 クローズ
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2/23(金)より、BOAT PEOPLE Association(BPA)は都市のインフラから独立した発電装置(太陽光とバイオディーゼル)で災害時の帰宅難民が運河からの救助を待機することを想定し船上生活を体験します。 サバイバル生活の4日目に、ドイツケルンから来日中の西野達が訪問し、水上でのボートトークを開催します。
西野達さんは、スイス・バーゼルや、ロサンゼルス現代美術館など国際的に活躍する現代アーティストで、日本で昨年開催された「天上のシェリー」展でエルメス本店屋上の花火師の騎馬像をPrivateな室内空間に持ち込んだり横浜トリエンナーレ2005では、横浜中華街の公園を「ヴィラ會芳亭」というホテルとして解放したりと、パブリックエレメントをプライベートに持ち込むという一般の常識を覆すような作品で知られています。 今年7月には森美術館、11月には広島市現代美術館での展覧会が予定されています。
今回はBPAの作品である船内で西野達さんの作品について語ってもらうと同時に、BPAとのトークセッションを企画しています。
BPAと西野さんは横浜トリエンナーレ2005から2年ぶりの再開。
2月に公開予定の、フローティング・エマージェンシー・プラットフォーム/エマージェンシー・ミュージアム。仮チラシをアップしています。いまのところ、2月23日から1週間程度を、プラットフォーム(13号)の公開+BPAの船上サバイバル期間、その後3月中旬まで、Pol Maloさんの展覧会「エマージェンシー・ミュージアム」を開催する予定。その他細かなイベントなども準備中です。とりあえず、ご予定を。
http://boatpeople.inter-c.org/fep.html

今週末、1月28日(日)、岩本・墨屋がちょっとお話させていただきます。
「シュリンキング・シティ×ファイバー・シティ@アキハバラ」
トーク・イン:縮小する都市の未来を語る
「時間をデザインする」 日高仁&山代悟(東京大学)
プレゼンター:梶原文生、田中陽明、岩本唯史、墨屋宏明
日時:1月28日(日) 14:00〜17:30
会場:AKIBA_SQUARE(秋葉原UDX2F)
参加費:1,000円
詳細は、S×F@AのWEBサイトをご覧ください。
「2006年8月20日までは、粘る」と宣言していた、「Life on Board II-13号計画」だが(参照→"13号、その後。")、とっくに期限は過ぎて、すでに10月半ば。その後、どうなったのか心配してくれている方もいらっしゃるかもしれません。・・・そんな人まるでいない可能性もありますが、少しだけ「その後」を報告させていただきます。
横トリに出展した13号艀(はしけ=バージ船)は、現在も我々が保有しています。その艀を使用して、今年度は艀の防災プラットフォームへの転用を実験的に行う予定です。この実験は、NPO東海道品川宿と協力して、京浜運河の既存ストックである艀を、防災拠点や観光資源として再利用できないかを検討するもので、都市再生本部の「全国都市再生モデル調査」に選定されました。

上は、2006年9月段階の、13号改装案。うちうちには、飛行機とも国際救助隊とも言われています。コストや構造の問題もあり、まったくこのイメージ通りに完成することはなさそうですが、現在の都市の水辺の殺伐とした風景を、ちょっとでも和やかにしたいという方向性。
いろいろ災害時のことを調べてみると、長期的なライフラインの復旧とともに、短期的な連絡手段や情報の確保(つまり、携帯やラップトップPCに充電し、電話やインターネットが使えるようになることなど)が非常に役立つことがあるそうだ。また、麻痺しがちな陸路に比較して、水上交通はダメージを受けにくい。国交省などでは、釣り船や業務船を、災害時に帰宅困難者の輸送手段としてネットワークする準備も進めていると聞く。
それなら、艀に簡単な発電システムと蓄電池を載せておき、とりあえず2〜3日の間の連絡用電源を提供する。比較的小さな13号艀ですら、積載量は最大100tだから、非常食や水なども備蓄できるだろう。防災倉庫が水上に浮いていれば、地震や陸地からの延焼の被害を受けにくく、水に面していることで、輸送船と帰宅困難者の集合場所にもできる。同時に、平時から多くの人に防災拠点として認知されていなければいざというとき機能しないわけで、「艀を再利用した水上の防災拠点」だったら、どんな場所よりも記憶に残るだろう。さらに日頃からカフェなどを開いていたら、その効果は抜群に高まる。
従って、「防災をテーマにしたカフェを水辺につくる」のは、たいへんロジカルかつ本当に役に立つ可能性が高い。災害時に限らず、普段から「名所」になる可能性だってある。もちろん、現行法制下でいますぐパーマネントな拠点、特にカフェなんかをオープンするのはほとんど無理だし、シビアな防災情報や水上輸送システムを組み上げるのは各方面との膨大な調整作業が必要だ。しかし、今年度の実験をすることで、有り得べき将来像を少しでも具体化して提示したいと思っている。
さて、進捗状況としては、年内に発電システムを含めた艀の改装工事を済ませ、年末から春にかけて、実験運用をする予定だ。どこまで一般の方の目に触れる形態をとれるか、サイトや様々な規制との兼ね合いもあってまだ不透明だが、単なる水上発電実験に終わってしまってももったいないので、可能な限り公開できるようにしたい。
「少し報告」といいつつ、鼻息荒く長々書いてしまいました。もう間もなく、もっとしっかりとリリースできる予定ですので、しばらく、お待ちください。
9月7日、門仲天井ホールで、芹沢さん、セントマーチンのクリス・ウェインライトらとトークセッション。BPAからは、井出と僕がちょっとお話させていただく。
クリスが計画しているのは、ライトアップをテーマにした東京の水辺でのアートプロジェクト。

photo:Hermitage Community Moorings (HCM)
http://www.hcmoorings.org/index.htm
彼は、ロンドンでも仲間たちと水辺のプロジェクトを進めていて、それが上の写真。テムズ川に浮かぶ係留区域の居住権を得て、この水上の空間を、アーティストやデザイナーの活動拠点にしようとしている。なかなかダイナミック、というか、僕らが数年前から妄想している水上ビレッジそのまんま。お互いの活動は全然知らなかったわけだが、ほぼ同時期に似たような活動を起こしていて、シンクロニシティを感じる。
また、行政との折衝の大変さも両国に通じるものがあるようで、なんというか志を同じくする者同士の妙な共感が生まれたりもする。
そんなこともあって、ディスカッションのほうは、管理行政の障壁とアートの可能性、が主題であった。
このテーマ、去年から折に触れて考えさせられてきた問題だが、結局のところ、アートが社会の突破口を開く場合であっても、それは「それがアートだから」ではない。「アート」というジャンルのものがあって、それが特効薬的に機能不全に陥った慣例や法制度に効くのではない。人格とは別にアートや芸術作品が機能するのではなく、ある人がなんらかの企てをして、しかしその人が特定の社会的な役割や社会的善意に準じて行動するのではなく、ごく個人的なエモーションに基づきながらも、利己的ではない目標に達しようとするときに、社会が動く(場合がある)。そのとき「それ」を、経済でも社会活動でもなく、もはや「アート」と呼んで諦めるほかないような局面が開かれ、そこにはじめて、アートが社会に働きかけるといっていい状況が生まれるのだろうと思う。
BPAは、もともとアートをつくるためのグループではないが、活動の性質上そのどこかで、腹をくくらねばならない制度的限界に突き当たる。それをどう乗り越えるか、という態度と方法論が、僕らにとってのアートなんだと思う。
さて、クリスのテムズのプロジェクトは、本格的な活動開始にはまだ時間がかかりそうで、実現できても08年とかそれくらいの「これから度」。だが、日本とUKの二軸があることで、これまでとは違うベクトルの動きが生まれていきそうな予感はする。
アーティストは、古来よりほっといても交流する性質の人たちなので、ここはせっかくだから日英の河川・港湾管理者が交流するような機会になったらいいと思う。「管理する人」は、自分の「管理思想」には疑いを持たない。また「管理する人」は、「管理してる自分」は、誰にも見られていないと思っている(よく矢面に立たされる「行政」というものも、担当者レベルでは悪気はないどころか、結構「いい人」も多い。なんだけど、総体としてみたらずいぶん不思議なロジックがひねりだされることもまた多い・・・)。そこに「別の考え方」や、「別の管理者の視線」が持ち込まれてしまうようなプロジェクトができれば、それは非常に健全なんじゃないかと思うのだ。